碧い宝石

こちらはボーイズラブの二次創作になります。
関心ない方、お子様は閲覧なさらぬようお願い申し上げます。

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いや~もうこれは「秋の大ロッセリーニ収穫祭」ですね!

(なんて素敵な実りの秋!ついに我が家にも広島から2冊同時にやってきた~~!)

守護・捕獲本の感想はまた改めてじっくりってことで…<ええっ

もう脳内ロッセリ愛がもうどうしようもなく盛り上がった私が今日はちょこっと短い作文をお持ちしました。
<うわうわ随分久しぶりっ


「碧い宝石」


ロッセリーニ家の息子「略奪者」 レオ×瑛で


シチリアのワインもいいけど、もう一つの大事な主役。
今まさに収穫期、オリーブ畑から始まる二人の甘い朝のお話を。
さわりの前半部分だけになりますが、よかったら笑ってお読みください。

(後半部分は鍵付き裏倉庫【バックヤード】の方に上げてあります)

素人のほんのお遊びですので、ファンの皆様どうぞお見逃しを。
尚、こちらも公開は期間限定、数日で裏へ下げさせて頂きます。

ではこちらから
     ↓








◇ ◇ ◇




「レオ!レオ、見てくれ!ほら!あっ、うわっ、あぁっ、あぶないっ!」


いつもとはまるで違う、あきらかに興奮した声が、広い館中に響き渡る。

吹き抜けの優雅な螺旋階段を、一段飛ばしで駆け上がって来る男は早瀬瑛。

日本の任侠の世界に生まれながらもその出生に背き、不思議な運命に導かれるまま、ここシチリアにやって来た。

今では領地を治める貴族とマフィアの末裔であり世界中に事業を展開するロッセリーニ一族の経営する企業の会長秘書、兼広報担当として、この地に暮らしている。

「アキラ、どうした?朝から騒がしいな、お前がそんなに興奮するとは珍しい」

ぶ厚い自室のドアを開け、スーツ姿で悠々と現れたこの美丈夫な男こそ、館の主人であり一族の長であるレオナルド・ロッセリーニ、その人だった。

いつもはグループの最高責任者として世界を飛び回っているこの男も、自身の故郷シチリアに建つ我が家、パラッツォ・ロッセリーニの館の中では、すっかり「恋人と過ごす蜜月」というプライベートを満喫している。

レオが手摺りから、その大きな上半身をゆらりと傾け覗き込むと、瑛が手の中の小さなボトルを握りしめ、ヘナヘナと階段途中に座り込んでいた。

珍しく繋ぎの作業着、頬には枝が当たったらしい小さなひっかき傷、さらにハァハァと荒い息が上がっているところを見ると、彼が農園からここまで、全力で走り続けて来たことにどうやら間違いなさそうだった。


「そんなに慌てるな、もし零れでもしたら、せっかくの我がロッセリーニ家代々に伝わる碧色の宝石が廊下のワックスになってしまう」

と、レオが笑いながら、階段をリズミカルに駆け下りる。

しなやかで逞しい、若き黒豹のオーラを纏うその男ぶりを見上げ、瑛が嬉しげに微笑み、手の中の小瓶を揺らして見せた。

「今朝からいよいよ収穫が始まったんだ!殆どの実は手摘みで採るけど、木の上の方の実は、梯子を掛けて木に登って揺らして落としたよ」

「親方のパトリッツオが去年はこう言っていたぞ…手伝ってくれるのは助かるが見てるとハラハラする、オリーブの実じゃなくて、そのうちアキラが落ちて来そうだって」

「フフっ、確かに初めてだった去年は少し危なかったが、今年はちゃんとしっかり登ったぞ…で、その最初の一籠をすぐに工場に運んで絞って出来たのがコレ…凄いだろ」

「そうか、自信作なら早速、出来を拝見させてくれ」と、レオが少し上段から瑛を抱き込む形になって座った。

「うわっ、ちょ、待っ…手も服も汚れてる、高級スーツがオイル塗れになるぞっ!」

「そんなことは構わない、どんなに上等の仕立てより、その一瓶には価値があるからな」

そう言って微笑む恋人の、優しい言葉が身体に沁みる。

「そんな、それほどのものじゃない…」

「オリーブ栽培はワインと並びロッセリーニ家を昔から支えてくれた大事な宝だ、それに私の為に、夜明け前から作業してくれたんだろう?」


確かに、まだ暗い夜明け前、星が出ているうちから、眠っているレオを起こさないように静かにベッドを抜け出して、農園での師匠である親方パトリッツオの待つオリーブ畑に行った。

初秋のひんやりとした澄んだ空気の中、大事に育てた自分のオリーブの木から一粒一粒吟味して収穫し、昔ながらの石臼で丁寧に挽いて…

今ではもう、ほんの一部だけ、大事な顧客へのプレゼントや、自家用にしか石臼挽きはしていない、とパトリッツオが教えてくれた。

石臼をじっくりと時間を掛けて手で回し、流れる若草色の果汁を無濾過のまま素早く瓶に詰める、貴重な生のエクストラ・ヴァージンオイル。

オリーブの実をクールに保ったままで圧搾する良い機械が十数年前に開発されてからは、石臼挽きに負けない品質の良いオイルを安定的に供給することが出来るようになったけれど、それでも昔と変わらず、土から拘って育て厳選した実だけを使い、最高の一級品だけを世に出す、と言うポリシーはワイン造りにも通じる、一族の何よりの誇りでもあった。

すでに夏の終わりから葡萄は収穫が始まっており、秋の初めのまさに今日、朝一番に今年初めてのオイルを絞るぞ、と農園でマエストロ・パトリッッオが宣言してくれた昨日から、興奮して実は殆ど眠っていない。


「アキラが一年の月日を掛けて、初めて栽培から収穫までに関わった記念すべきエクストラ・ヴァージンオイルだ、大事に堪能させて貰う」

(って、…ええっ?!)

「レオ、お前何考えてる!降ろせバカっ、ダンテも、ファーゴも見てる、いい加減にしろっ」

瑛が叫ぶのをそのままに、レオが脇の下から両腕でひょい、と身体を抱え上げた。

自分を抱えたまま、ゆっくりと一歩ずつ、悠々階段を登るのは、企業のトップでも一族の長でもない、世界にただ一人の、愛しい恋人だ。


「アキラ、さぁ瓶をこちらに」

彼の自室のベッドに降ろされ、隣にレオが腰を掛ける。
横から伸びた手が小さな瓶のコルクを抜き、まずは二人して、トロッとした濁りのある碧の液体の香りを胸一杯に吸い込んだ。

「ん~、いい香りだね」

「ああ、我が家の香り、だな」

次に、瓶から直接、レオがオイルを口に含む。
舌の上で味わいながら、男らしい喉仏を上下させ、やがて静かに喉に落とし込んだ。

口腔内に残る後味を確かめるように、レオが天を仰いで目を閉じる。

無言の時間が少し長いのが気になって、瑛の胸に不安が過ぎった。

(レオ、ダメならハッキリ言ってくれ、まだまだ修行が足りないのは解ってる…)

「この夏の暑さが酷かったので出来を少々心配していたのは確かだが、じっくり味わってみても、まったく去年に遜色ない、美しく流れる宝石のようだ、色も香りも…素晴らしいよ」

「そ、それは…本当か?」

「あぁ、お前の願いに付き合わされたマエストロには悪かったが、しつこくつきまとってでもパトリッツオから教えを請い、必死に頑張って来たんだ、瑛の熱い心が伝わる素晴らしいオイルだよ」


そうレオがささやくと、瑛の身体をギュっと抱き締めた。


「アキラ、これを一番美味しく味わう方法を今から、教えてやろう」


瓶からさらに一口含み、今度はそれを瑛へと口移しでゆっくりと注ぎ込む。


「そう、まだ飲み込むなよ、ゆっくり温めて舌の上で転がすように混ぜるんだ」


ん…っ…


そのままキスで唇をこじ開け、レオがようやくオイルを味わい始める。

クチュクチュと唾液とオイルの混じり合う音が響き、舌と舌の絡み合う感触が胸を甘く疼かせた。

レオの手がしっかりと瑛のうなじを支え、捕らえた獲物を堪能する。

うっかりすると、口づけに夢中になって飲み込んでしまいそうで、瑛が小さく頭を振った。


顔も服もオイルに塗れ、二人とも濡れて融けてしまいそうだ。


「アキラ、愛してる…このまま、お前とオリーブを最後まで味わい尽くしていいか?」


何度も何度も、お互いの口内を行き来したオリーブは甘く、それでいてピリっと刺激的で。



それは生まれて初めての、切なく青い味がした。






fin.






※この熱い朝っぱらからのHの長い続きは、バックヤード裏倉庫へ。お読みになりたい22歳以上の女性の方は、カテゴリ内の「裏倉庫へのご案内」を良くお読みになってからメールをお送りください。

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by apacheoffice | 2014-09-02 01:47 | ちょっとおあそび | Comments(0)
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