I say a little prayer for you ~小さき祈りを捧ぐもの

こちらはボーイズラブ二次創作(アニメ関連)のお話となります。
関心ない方、お子様は閲覧なさらぬようお願い申し上げます。

TIGER & BUNNYより 虎兎で。
YJのネタバレ含みますので要注意!

その後の小さなお話です。ほのぼのシリアス?になるのかな。

それと、文中の絶倫うんぬんのお話は本当です!
アメリカの某男性誌(プ○○ボーイ)の有名な黒いロゴもそこから来ているとか…<笑
もちろん日本でも昔からそう言われていて、日本画なんかにも登場しています。


では、YJお読みになった方よりこちらから
     ↓



I say a little prayer for you ~小さき祈りを捧ぐもの



◇ ◇ ◇




「ったくよ、こ~ゆ~のはオレのキャラじゃねっつってんだろが…」

大きなガラス張りの壁に手を突いて、アホ面を晒しているのは、崖っぷちベテランヒーローの俺、ワイルド・タイガーこと鏑木・T・虎徹。
そして俺の隣で呆れ顔の溜息を吐いているのが、最近俺をコンビを組んだ有能な新人、注目度ナンバーワンの若きヒーロー、バーナビー・ブルックス・Jr.だ。

泣き声こそ聞こえはしないが、そのガラスの向こうには透明なアクリルの箱のような仕切りの小さなベッドが所狭しと並び、中には生まれたばかりの新生児達がしっかりと命の叫びを上げているのがこちらからでも良く見える。

「知りませんよ、そんな事…私はただアニエスさんから、貴方をココへ連れてくるように言われただけですから」

ヤツが不機嫌な顔を背けると、小さな顎が美しいラインを作って上を向き、綺麗な横顔がガラスに映って俺の胸をドキリとさせた。

あの時…「あなたのお節介にはウンザリなんです」と、背を向けたバニーを追いかけて辿り着いたのは、シュテルンビルドのほぼ中央に位置するセントラル・ホスピタル。

俺が、そのちょっと前に産気付いた妊婦を背負って分娩室に担ぎ込んだ病院だった。


「で、さっきの、ほら二人で…密着…なんとかっての?あんなんで良かったのか」

「二人で密着じゃありません!密着取材、です。もう初期の認知症が始まったんですかオ・ジ・サンっ」

「クッ、違げぇって、そういちいち尖がったこと言うなよバニーちゃん、俺達はバディ、相棒だろ~」

「バニーじゃありません、バーナビーです、それにさっきのはきちんとスポンサーの付いたお仕事ですからあしからず」

「驚いたよ、病院に着いたらヒーローTVの取材クルーが待ち構えてて…助けた母子に病室で御礼言われてって、んなもん番組なんかになんのか…」

「どんな小ネタも捨てずに拾う、ヒーロー生中継の間に挟み込む5分番組の企画が必要なんですよ」

「何が感動のご対面シリーズだよっ…つか、こっちは別に感謝されたくてやってるわけじゃねぇんだぞ!」

「ハイハイ、そういいながら、赤ん坊を抱っこしている貴方は相当ご機嫌でしたよ、良かったですねオ・ジ・サン!」

結構うまくこなしてたじゃないですか…と、珍しくコチラを褒める小生意気で自意識過剰な新人をチラリと見やり、俺はまたさっき抱いたばかりの新生児を探すため部屋の中へと視線を戻した。

「あ、見ろよアソコだ、さっきの子!あの奥の端から二番目の箱に入ってる…しっかし、何度見ても新生児ってのはフニャフニャしてて猿みてぇだなぁ」

「箱って…しかも猿呼ばわりは失礼ですよ、貴方だって人の親、なんでしょう?」

「ああ、そうだ、でもさ、自分の子ってーのは不思議と可愛くてな、とても猿みてぇだなんて思わねぇのよコレが、楓もこんな時があったよなぁ~今とは違ってさ可愛いかったぞ~!」

小さな命を初めてこの腕に抱いた日を思い出し、俺が遠くを見ている間黙っていた男が不意に踵を返して足早に廊下を歩き出した。

「ちょ、待てよバニー、どーしてこういつも急にコロコロ機嫌が変わるかな…俺、なんか気に障ることでも言ったか?ん?」

追いかけて、バニーの肩に手を掛けた俺は、眼鏡の片隅にキラリと光る粒を見て、慌てて目の前の金色の髪をくしゃっと掴んだ。


「そっか…おめぇ…親のこと…思い出したんだな?」

「違います」

「違わねぇ」

「違いますっ!」

「意地張るなってフフっ、まぁそこが可愛いンだけどよ、ほら泣くときはココ、にデコくっつけとけって」

俺が胸にチョン、と指を充てて見せると、小さな兎が気味悪いほど素直にスッと頭を寄せて来た。

「そうそう、いつもこれくらい素直だとイイいんだがなぁ…」

そう言って小さな頭をポンポンと叩き、兎を胸に抱いたまま、しばらくの間俺は、静かな廊下に立ち尽くした。


「見ろよ、小さな赤ん坊でも、あんなに小っさい手を胸に当てて…なんだか祈ってるように見えねぇか?」

落ち着くのを見計らい、そう俺が促すと、兎はあっという間に生意気な男に戻って顎を上げた。

「言われてみればそう見えないこともないですが。偶然ですよ」

「おお、元気になったとたんにコレか!つか何かに似てるなぁ…ああ、思い出した!似てるよ、フフっ、あははっ…こりゃ似てる!」

「何ですか?突然、思い出し笑いとは、まったく失礼な人ですね」

「だってよ、さっきの…バニーちゃんと俺のキュートな登場ポーズ、だっけ?アレ、ここにいる赤ん坊達とまるで同じ、お祈りしてるみてぇだったじゃねぇか!」

「くっ…」

「いいぜ、アレ、案外イケてたし、母性本能くすぐられた女性ファンが泣いて喜ぶに決まってる」


そしてなによりバニー、アンタの願いってやつが、叶うといいな、と思ってさ…


そう言うと、俺は、驚いた顔をしてこちらを見ている男にチュ、と口づけた。


「それに、バニーちゃんが本物のうさちゃんだったら、ここにいる人数ぐらいの子供を産むのは朝飯前だ」

「あなたと言う人は…私はウサギでもましてや女性でもありません、ですから子ウサギも子供も産みません、突然何を言い出すんですかっ!」

「ふぅん、そうかぁ?案外外れたことは言ってねぇつもりだぜっ!フフっ、なんせ兎は昔からその繁殖力の強さで精力、淫乱の象徴とまで言われてる動物だからな」

「セイリョク…インラン…って、…だから私は絶倫でも淫乱でもありませんっ!それを言うならオジサン、貴方でしょう、イヤらしくてしつこくて、昨日だって朝まで何度も…」

そこまで言って、あっ、と口を手で塞ぎ。


可愛い兎は廊下をぴょん、と走って逃げて行ってしまった。


「はぁ、また余計なこと言って、若者に嫌われちまった、かな…」



小さき祈りを捧ぐもの。


その祈りのすべてが天に届くことを願って、俺も静かに歩き出した。





fin.
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by apacheoffice | 2011-08-05 07:06 | 他作家様作品での創作 | Comments(7)
Commented by 季菜子 at 2011-08-05 09:48 x
あぱっしゅサマ、おはようございます~♪

ツン美人なバニーちゃんと、大人可愛いオジサンを、
ありがとうございます♪♪♪
バニーちゃんの、内心オジサンに甘やかされたい気持ちと、
オジサンの、バニーちゃんを弄り回したい想いを感じて、
によによが止まりません(はぁと)。

YJのツンツンバニーちゃん、本当に美人サンでしたねぇ。
バニーちゃんの唇が、もう、美味しそうったらなくて…
Commented by apacheoffice at 2011-08-05 10:33
季菜子さま、おはようございます~♪

あの最後の唇は…ズル過ぎるでしょ、アレはダメですよもう桂先生~!
と悶えつつ、まま付いてったらこうなる、ってなお話にしたかったんですけどね。

瞬時に、本当に一瞬だけ、オジサンの肩にフワッと、あの金髪があるって図が見たい。で、一瞬でまた元通り、ッてね。<笑
難しいと本当に思います。字にするのは。(上手く書けない~)
お耳に平田さんのカッコイイお声が聞こえているといんですが…
Commented by apacheoffice at 2011-08-05 19:58
08/05 16:39 CDレビュで来たよ!...と簡単メッセの拍手を下さった非公開さま
こちらから失礼いたします!嬉しい拍手をありがとうございました!
簡単メッセを押して頂くのはとっても嬉しいことなんです。
CDのレビューを沢山読んで下さったのですね~。これからもユルユルやって参りますので宜しくお願いいたします。(^^)
Commented by t-m-pooh at 2011-08-06 07:14
あぱっしゅさん、ご無沙汰してます~♪

私は兎虎派なんですが、意外と逆もイケますね^^
どちらにしろバニたんはツンじゃないとw
「オジサン」呼びアニメではもう聞けないんでしょうね。

にしても、オジサンの包容力が半端ない!
けどそこはそれ。
ちゃんとバニたんをいぢるトコに萌えました。
そして、知ってたのに兎が絶倫だということ忘れてました。
さすがあぱっしゅさん!
これから、アニメ観るたびに思い出しちゃうじゃないですか^m^

YJの最後のバニの口元はホントに反則(販促)ですwww

Commented by apacheoffice at 2011-08-06 08:31
さわちゃん いっそがし~夏休みに来てくれて、しかも読んで下さってありがとう~!

そうなんです、自然に考えたら兎虎ですよね~。私、いわゆる人気アニメの場合、世間と逆行くことが多いみたい。○の球の時も辛かったが今度も辛い状況になりそうです。<爆

そう、うさちゃんは絶倫ですよ!楽しくこれからも視聴いたしましょう。<起きられれば!←問題はコレだ
Commented by くるみ at 2011-08-06 17:36 x
YJ読みました!(ネカフェで…)さすがに買う勇気はありませんでしたくるみです。しかし18禁ゲームはアニ○イトで店頭で買えますなんでだ…?

桂先生の絵が大変麗しくて虎徹やバニー(笑)や他ヒーローも出てきていてウハウハしていました。しかもあぱっしゅサマのところで補完まで…ああなんて嬉やタイバニ!

個人的には虎徹総受け派ですがオジサンにからかわれるバニーもいいですね!何でもいけそうな気がしてきました…兎の習性は私も忘れてましたさすがです!!

暑い夏は熱中症に気をつけてくださいね。でも萌えはアツくいきましょう!!!
Commented by apacheoffice at 2011-08-08 00:40
くるみさん

YJ、男性誌ですし、漫画表紙ならまだいいですけど、いきなりビキニのえーけーびーですもん、困ります。<爆

いや、決死の覚悟で買いましたが、店員さんには「あの、子供に頼まれたんですけど…」と禁断の言い訳をして探してきて貰いました。<アブナイ残り一冊だった!

と、昨夜は友人と呑んだくれて帰って、早速18話を見逃がす体たらく…
ブームに付いていけない女ですが、運良く見れるものにはなんか書いていけたらいいなぁと思っています。今後とも宜しくお願いいたします。
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