真夏の夜の夢

こちらはボーイズラブ小説の二次創作となります。
関心ない方、お子様は閲覧なさらぬようお願い申し上げます。

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今夜は七夕…恋人達はどんな夢を見るのでしょうか。

去年、拍手に置きました台詞だけのものをリメイクして小説仕立て?にしてみました。

YEBISUセレブリティーズ ボス×はるかで 

七夕の夜の、小さなお話です。<H無し

一応、(udukiさんから頂いたお題で書いた)去年の「星に願いを」と同日設定です。<笑



ではこちらから
     ↓







 





 ◇ ◇ ◇




これは…真夏の夜の夢?

イルミネーションの煌めく都会を走り抜け、恋人の運転する高級車で辿り着いたのは商業施設とマンションの一体化したとある高層ビルだった。

無言のまま歩く大きな背中を追いかけ慌ててエレベーターに乗り込むと、その男…職場の頼れるボスであり、今では最愛の恋人でもある大城崇が、事も無げに金色の最上階を示すボタンをポン、と押した。

低いチャイムとともに扉はゆっくりと閉まり、高速で浮き上がる感覚に、一瞬身体が緊張する。

「どうだ気に入ったか?ここは親父の持ち物だから、遠慮しないで寛ぐといい」

「ボス、こっ、こんなビルの最上階の豪華なペントハウス、見たことも入ったこともないです…うわっ、屋上は日本庭園になってるんですね!それにスゴイ夜景…こっちは、ああ、東京タワーも見えるっ!」

壁一面のガラスの大開口。
広がる都会の夜景に思わず驚いて駆け寄ってしまった僕に、ボスはいつもの穏やかでとびきり優しい微笑みをくれた。

「驚くことはない、外国からの招待客や、一時は政治家や官僚などの接待にゲストハウスとして使っていたものだ。親父が入院してからは、高史が要人の相手をしているが、最近は主にホテルを使用することが多くて…たまには様子を見る為に使ってくれと言われてな」

「そうだったんですか…ここで、そんなスゴイ人たちが楽しい時間を過ごされていたんですね…」

「定期的にメンテナンスやハウス・キープは入っているので設備に問題はない、酒や軽いつまみぐらいは冷蔵庫にあるし、シャワーもトレーニング機材も全部自由に使ってくれ」

それから僕は、まるで夏休みに親戚の家に遊びに来た子供のように、部屋中を一通り探検して驚いたり、感心したり。

ボスに呆れられるほど、はしゃいであちこち見て回った。

都会のど真ん中に、招待客を接待するってだけのためにこんな豪華なマンションを所有しているだなんて…

ボスの育った家って、一体どんな家だったんだろ?

想像も出来ない、自分とは違う世界に、今更ながら目眩がする。

考えても仕方ないことだけど、僕と崇さんとは、こんなにも生きて来た世界が違うんだ…

僕は、頭の中のモヤモヤを振り切るように、ソファーでヘネシーを傾ける恋人の隣へと大袈裟な仕草で腰を下ろした。


「フカフカの蛇腹のソファー…気持ちいい、こんな素敵な所へ連れて来て下さって、ありがとうございます」

「いいや、大した事じゃない…案外、都会でも星は見えるもんだろう?」

「はい、夏の大三角形とか、オリオン座とか…よく小学生の時に観察日記を書いたりして…あっ、あそこ!」

懐かしい星を見つけて手を伸ばす。
すると、崇さんが、僕の指を捕まえ、チュ、っとわざと大きな音を立てキスをした。

「はるか、さっき車の中で、七夕祭りだから何かお楽しみがあると言っていたな、それは何だ?」

(うわマズイ…確かに、今日、崇さんを喜ばせたくて、用意したものがあるけど、まさか高級なペントハウスでデートだなんて、聞いてなかったしっ!)


「そ、それが…あの…ゴクッ、ゲフォッ…ううっ、」

言葉に詰まって、青くなって。
僕は慌てて、目の前のブランデーを一気に呑んで噎せてしまった。


「ん?何か言いにくいことなのか?何か欲しいものがあるなら遠慮なく言っていい…」

「いいえあの、こんな所に連れて来て貰えるなんて知らなくて、へ…変なこと言っちゃって…何でもないです…わ、わっ、忘れてくださ…ああっ!ダメ!」

後ろ手にガサガサと袋をビジネスバックに突っ込もうとする僕の手首を、大きな崇さんの手が掴んでグイ、と引き上げてしまう。


「お前が事務所の連中に配ってたものか?ん?何だこりゃ…」


(あっ、あっちゃぁ…ど、どうしよーっ、見つかっちゃったよー、おかーさん!)


元はと言えば、母さんが近所の子供会で売ってたらしい花火の袋をた~くさん買って来て。

「余ってるから、コレ、あんたの会社に持って行きなさいよ、おしゃれなデザイン事務所の人達だって、七夕くらいやるんでしょ?」と、僕に何個も押し付けたのが事の始まりなんだから。


「よいこの花火セット、か…懐かしいな…」

「ボ、ボスっ、まさか、ボスもこんなもので遊んだことがあるんですか?!」

驚いて目を丸くした僕は、改めて目の前の恋人の顔を覗き込んだ。

「そんなに驚かなくてもいいだろう。夏になると軽井沢の別荘によく親戚が集まって過ごしていたし、特に年の近い従弟の高史とは夜遅くまで花火で遊んだ思い出がある」

それを聞いて、一気に元気になった僕は、勢い込んで話を続けた。

「あのオレも、オレもですっ!夏は普段は会えない従兄達が泊りに来て、花火で遊んだり、縁側でスイカを食べたり…すっごく楽しかった!オレ、そんなことを…貴方とも、一緒にしたくて…」

そう言ってしまった後で、ほんの少し後悔する。

僕のちっぽけな願いを、貴方はどんな風に思うんだろう。


「環境が違っても、人間のすることにそうたいした変わりはないもんだ…お前は素晴らしい家庭で充分に愛されて育った、もっと自信を持っていい」

「ボス…」

「花火は後で、庭に出て楽しむことにしよう、はるか…さぁこっちに来い」

そう言った後、ソファーがグラリ、と揺れて、次の瞬間、僕はもう恋人の胸の中に倒れ込んでいた。

「あ…っ…」

腰をグッと引き寄せられ、抱き締められた身体が熱くなる。
低い声、耳元で囁く言葉は優しくて、まるで夢を見ているみたいだ。

ボス、もうあとオレ、頷くことしか出来ないよ…

「ん…ああっ…ボス…どうして、抱き上げるなんて、おかしい…やめっ、うあぁあっ!」

軽々と抱き上げた腕は逞しく、大の男を抱えても揺るぎもしない歩みに、僕は諦めて、恋人の首に手を回した。


これは…真夏の夜の夢なんだ。


「ジャグジーの天窓からは星が綺麗に見えるだろう」

「ボス…」

「一緒に入ってくれ、はるか…可愛い花火のお返しに、いくらでも今夜は星をとってやる…」


fin.
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by apacheoffice | 2011-07-07 19:04 | 真夏の夜の夢 | Comments(8)
Commented by くるみ at 2011-07-07 20:29 x
うああああああああああああ~~っ!なんて素敵なボス×はるかのセレブデート!花火があって~高級ペントハウスに~日本庭園まで~っ!某mi○iにアップしたうちの小説とえらい違いだわ~っ!うちのは地味すぎてお目汚しかも…すみません興奮しすぎて変なテンションに…。


久しぶりにコメントします!お料理ブログ様のご紹介やら木原先生作品舞台感想やらも読みましたよ~特に食べ物に目がない私はお料理に釘付けでした(笑)すごいです…ご紹介ホントにありがとうございます!

今日は七夕、お空の織姫と彦星も一年ぶりのデートに忙しいことでしょうね!夏の恋人たちに乾杯!!

Commented by apacheoffice at 2011-07-07 21:59
くるみさん

いつもお越し下さっているのですね~!すっかり常連さん、心からありがとうございます。

思い返せば一年前。<爆
コレ、拍手SS「夏の少年」として書いたんでしたね。
http://apacheoffi.exblog.jp/14841617

その時もコメントを下さったのを覚えています。
ボス×はるか、シンデレラ?と言うかマイフェアレディな可愛さが出るといいな~と思って書いているんですけど、難しい!しかもH入れらんない!<爆

ご教授エッチおしえてあ・げ・る。が書けるまで精進します。<一体いつになるんだ自分
Commented by uduki at 2011-07-07 23:47 x
今年は自分で七夕企画する余裕がなかったので、こんな素敵なお話を…しかも去年の花火ネタを使って書いてくださるなんて!すっごく楽しませていただきました♪
やはりエビリティにはセレブな空気が似合いますね。
そしてそういうモチーフを確固としたリアリティをもって描き出されるあぱっしゅさんは、本当にもう、さすが!としか言いようがありません。
素晴らしいです!いいもの読ませていただいて、ありがとうございました。
Commented by namazz at 2011-07-08 07:31 x
おはようございます♪

最後の決め台詞に思わずニンマリ、
勉強させてください<(_ _)>
Commented by apacheoffice at 2011-07-08 16:44
udukiさま
今年はお忙しくていらっしゃいますものね。
連日暑いですし、どうぞお身体お気を付けて、元気で秋の陣を迎えて下さいませ!<待ってます~

そして、去年の七夕企画を覚えていて下さってありがとうございました。
これも私が勝手に押しかけコラボさせて頂いた、懐かしいネタだったんですよね~♪

はるかが事務所でエビリティーの面々に花火を配る、というキモの部分を勝手に頂いて、楽しく遊ばせて頂き、すごく嬉しかったです!どうぞまた機会を見てぶら下がらせてくださいませ。
Commented by apacheoffice at 2011-07-08 16:50
namazzさま

お勉強などと、何をおっしゃいますか!
ハードボイルドなイイ男が、貴女の筆を待っていますよ~。
続きを楽しみにしていますね。

私などは、もう人様の首を血だらけに(痒いぞ~)するためだけのものですから。<ああん恥

今年も十分カユカユ出来て、幸せでした。<笑
Commented by apacheoffice at 2011-07-13 21:34
拍手からお越しの07/13 17:41 エビ創作見たよ!さん

先ほど見て下さっていらしたのですね~♪
こんな猛暑の中、こんな素人の数々の暑苦しい作文を…
本当にどうもありがとうございます。嬉しいです!

Secret Heavenをお気に召して下さったのでしょうか?
どうぞ、谷地×加賀美の同志として、是非ともまたのお越しを!
お気が向かれましたら、お話させてくださいませ~。(^^)/

Commented by apacheoffice at 2011-07-15 00:39
同じく拍手からお越し下さった07/13 22:47 エビ創作見たよ!さん
何度も何度も押して下さって、嬉し涙にくれています。<うぅっ

いつも感想やら創作やら、ごちゃ混ぜ危険なものをお見せしておりますことを、大変心苦しく思っておりますが、こうして、記事ジャンル問わずいろいろ見て下さる方がいてくださると、本当に嬉しくてホッとします。

どうかまた、お越し下さいね~!
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