BLCD「座布団」(神谷×山口)

今までさんざん、艶っぽいとか色っぽいとか、そんな言葉を安易に使って参りましたが。

これを聴いて心底から、ワタクシ心得違いを致しておりました!と大反省しました。<笑

本来、日本人の言うところの「色とか艶とか」ってぇのは、もっとしっぽり濡れてて、良くて、でもってとんでもなく辛いものなのね。

そこらに日本情緒が転がってた昭和の時代の匂いが大人にはリアルで泣ける。し○ちゃん映画の大人帝国に次ぐ懐かしさですよ!


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原作未読、ちょっと内容とまたズレてる雑談ですが。
よろしければはこちらから
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落語の艶噺(バレ噺)ってものの色気はもちろん凄いわけで、いわゆる落語家さんて、役者、しかも声で何役もやるわけだから、その点についてはモロに声優さんと同じ仕事だとも言えるのね。

やっぱり噺家は、生きる全てが芸の肥やし。
もうお亡くなりになったけど、私の大好きだった春風亭○昇師匠なんか、紅顔の美少年時代?!軍隊で毎晩上官に呼ばれて大変だった…なんて話をサラリと自分のエッセイに書いてるぐらいだし(ご本人はもちろん有名な愛妻家でらしたので全然ソッチではない)、つくづく噺家は、艶ってもんの真髄を身体の中に持ってなくちゃダメなんだとしみじみ思うわけですよ。

主人公の要(かっぺーちゃん)が真打になるまでの成長物語でもあるんだけど、タレントと落語家の間で悩んだり、お旦のお座敷で辛い戯芸やらされたり、とその辺もいかにもなリアルさ。かっぺーちゃんの演技の巧みで、さらにそれを臨場感たっぷりに堪能することが出来ました。

やマジで、そゆこと…あったと思います!
いやひょっとしたら今だってある。
誤解を恐れず言えば、そりゃ太古の昔から役者も芸人も川原乞食の生業ですよ、金のあるほうあるほうへ、命と真のプライド以外に出さないもんない。
怖いくらいな、リアルがそこにあって凄かった。

三木師匠とかっぺーちゃんの達者の陰に隠れてるけど、同じく弟子の寒也(神谷さん)の演技が私は実は一番心に残ったのはどうして?
低音の神谷さん、しかも攻めって凄くイイわ~!今までなんでこの良さに気が付かなかったんだ自分、バカバカっ!違っ、コノすっとこどっこいのこんちくしょー!泣かせやがって!スンっ!<鼻啜り付き

芸人としてはまさに器用貧乏(ま、庭師の息子ってことだしね)、師匠の夜の相手をしながら、どんなことを考えていたのか…って、そっちの方が聴きたかったよ!<笑
芸人としての暗い心の淵と、かっぺーちゃんを大きく包む男としての優しさと。
その人間の表裏、二面が見事に表現されてたと思う。

その寒也が師匠の下を去る時に要に言う「お前、真打になったら一軒屋を買えよ、そしたら俺が見事な紅いカナメの生垣をこしらえてやるから」ってな所で、ハッと思ったんですけど。

カナメって、もちろん愛しい要の名前でもあるし、燃える様な紅が情念の象徴でもあるし、でも、それだけじゃなくて、このカナメって、もの凄く伸びが速いのでも有名な木なんですよ。
だから、綺麗な生垣にしとくには、しょっちゅう庭師が通ってこしらえるもんなんです。って、ことは…

これからも、いつもお前のそばにいるってことなんだと、(神谷さんの台詞が良かったから)その裏がピンと来て嬉しかった。

「どどいつ」

ラストに収録されている、小さなお話。
男前の役者を連れ込んで喰ってる初助師匠(三木さん)んとこに、早とちりした二人が、倒れてるのかと勘違いしてなだれ込むってのが可愛い。<まんま落語みたい

長襦袢を肩に引っ掛けて物憂げに出てくる師匠がマジ見たかったよ!
大典さん演じる役者の大人っぷりもまたカッコいいわ。
昔の役者さん(勝新あたりまでの)鷹揚な粋を感じるシーンになってて良し。

このままじゃ勿体無いから、私ももちろん続編希望です。

あ、もひとつだけ続編来たとしたらお願いしたいこと。
それは、せっかく落語なんだから、フリトで是非是非、謎掛けをやって!
絶対おもしろいと思うんだけど…<笑



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以下、関係ない自分の寄席回顧ですんで。いらない方はスルーで。<笑


私自身、子供の頃(親が寄席好きだった関係で)結構通ったワケですけど
(でパパに高座返しの合間にオバちゃんが、丸いお盆に載せて売りに来るアイスクリーム買って貰う!)

芸人さんって、ここではテレビと全然違う話をするんだな、と子供心に思っていた。
勝負はやっぱり生の寄席だったんだと思う。
都都逸もよく枕とかで使われてたし、本職じゃない芸とかをやってくれることもあって、これがまた面白かったんだよね。
今で言う、ライブ、そう笑いのライブ!<爆

先代の三平師匠に「そこのお嬢ちゃん!今アイスクリーム食べてる場合じゃないでしょ!」と高座から突っ込まれたらしいン歳の私は、今で言えばDTハ○ちゃんにどつかれる以上の幸せモンだったんだんだなぁと…。

三千世界の鴉を殺し…って、本職が唸るとグッとくる色っぽいどどいつですが、ここの三木師匠のはご愛嬌、よく頑張ってた!意外に神谷さんのどどいつの方が上手かったけどな!<爆
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by apacheoffice | 2009-07-01 14:21 | BLCD感想(サ行) | Comments(0)
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