Blue Moon Ballade 前編

こちらはボーイズラブの二次創作となります。
関心ない方、お子様は閲覧なさらぬようお願い申し上げます。

そろそろ、皆さんリブさんのフェア小冊子「肉食ERO」ゲットしてお読みになったでしょうか?

発情シリーズのSS、悶えるくらい嬉しかったですね~!

一歳近くになって、高速ハイハイが上手になった双子モフモフちゃんたちにハァハァたまらん!

で、これタイトルが付いてないのが勿体ない!
<後々ファンが岩本作品分類するのに不便じゃ?爆

ってことで、毎度ご迷惑極まりないですが(今夜は満月ですし)勝手にこのSSの続きでお遊びさせて頂きま…←イケマセン

今年後半、シリーズの新作が出る?な噂もちらほら。
<期待で全身のあちこち震えが!
あまりに勝手なねつ造展開ですので、新作が出る前あたりには下げさせて頂くかも。笑

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「Blue Moon Ballade」 前後編

賀門士朗×神宮寺迅人

肉食をお読みになった方、そしてここに書いてある内容をあとでスッパリ忘れて下さる大人の貴女のみお楽しみ下さい。
※微妙に自作の「Lovers Concerto」と関連させてます


ではこちらから
     ↓



- - - - -



エレベーターは重力から解き放たれたかのように一気に天空へと駆け上がり、最後のほんの一瞬小さく浮いて、ふわりと羽を納めるように止まる。

久しぶりに見るスーツ姿の逞しい賀門の腕にエスコートされ、扉から一歩踏み出した迅人は、目の前に広がる世界に息を詰め大きく目を瞠った。

そこは広々としたエントランス。

板目も美しい温もりのあるフローリングを敷き詰めた幅のある廊下の先には、壁全面のガラス張りの開放された空間が広がっている。

「賀門様、いらっしゃいませ、今宵はタワー側の特別席をご用意しております、スペシャルメニューとともに、夜景も存分にお楽しみ下さい」

そう言って姿勢良く腰を折る支配人に送られ、迅人はフワフワとした気分で一段上がったBOX席へと落ち着いた。

「す、凄いトコロだね…夜景は綺麗だし、なんだか大人っぽいオシャレな雰囲気だし…あ、あの…」

「どうした迅人、気に入らねぇか?」

微笑み、ヒョイとこちらを覗き込んでくる。
そんな賀門の仕草一つ一つに、いちいちドキリと胸が鳴る。

いかにも大人の男、といった色気を醸し出す賀門と比べると、まだまだ肩も身体も薄っぺらい気がして、迅人は密かに溜息を吐いた。

一応、場所を考えて軽いジャケットは羽織って来たけど、これじゃ親子とまでは言わないけれど、年の離れた兄弟?

どう見ても、対等な関係には見えないよ…


「違っ、気に入らないとかありえないから!士朗が選んでくれたんだもん…嬉し…」

「う~ん、素直に喜んでるってのはわかったが、その割に、キョロキョロ落ち付かねぇのはどうしてだ、ン?」

問い詰められては仕方がない。

迅人は、首を振り嫌がりながらも、その気持ちを生涯の「番」つがいの相手、夫である賀門へと正直に白状した。

「あのさ、ここ、お、大人の社交場、って感じ?そもそも会員制のお店ってオレ初めてだしナンか場違い?って言うか、嬉しいけど、オレみたいなのが来るようなトコロじゃない…かな?ってその…」

ゴクリ、と唾を飲み込んでようやく口から出た言葉に、大きな賀門の身体がグラリと揺れて笑い声が響く。


「フフッ、アハハ…ッ、バカだなぁ迅人…安心しろ、ここはンな緊張するよな高級店じゃない、会員制ったって夜の予約の為だけで、あとは一般の店と同じだ、遠くまで見渡せる昼の景色も凄いらしいから、時間を作ってまた来ようぜ!今夜はほら、アレで我慢してくれ…」


「アレ、って…あ…ああっ!」


何で今まで目に入らなかったんだろ?

まるで宝石箱をひっくり返したような、天の川を地上に流したような目の前一面の夜景の先。
少し遠くはなるけれど、青い一際美しい塔が、いきなり迅人の目に飛び込んで来た。

「スカイツリー!スカイツリーだ!凄いよ、ライトアップされてからこんなにじっくり見るのは初めて…」

さらに賀門が親指で軽く後を示した方向を振り返って見ると、反対側の窓には、今度は見慣れた東京タワーが数倍の大きさで迫っている。

二つの塔を同時に見ることが出来るなんて、それだけでも凄い贅沢だ、と溜息を吐いて迅人は驚嘆した。


「なんとなく遠くから見上げてる時には気づかなかったけど、こんなに綺麗なものだったんだ…」

「ああ、そして月も、迅人の誕生日を祝ってくれるつもりらしいな、珍しい、ブルームーンだ」


そうだ、折しも今宵は満月、丸いいつもより大きな月が、二つのタワーの間で、ほの青く輝いている。


大気や、オゾン層、空気中に舞い上がった塵や埃、などが複雑に影響して見えるとされている「青い月」

それが迅人を、二人を祝福し、高い空から見守っているようだった。

「おい、そろそろ、俺のほうも見てくれねぇかな、これでも張り切ってスーツまで着込んでめかしてんだ」

冗談を言う賀門こそが珍しい、と迅人は思う。
景色に見とれる顔の前に、黒革の大きなメニューを翳され、ようやく我に返って視線を戻した。


「景色は逃げねぇから、そろそろ喰いモンも決めようぜ、ここはグリル&バー、つまり炭火で焼いただけのシンプルな料理で有名なんだ、ロンドンの郊外にいる頃は、暖炉で串に刺して焼いただけのローストビーフが好物だったろ?」

「うんっ、ソレいいっ!あのスモークの中で焼いた肉汁たっぷりの塊を切って口に入れるところを想像するだけでご飯たべられちゃう」

「ば~か、ちゃんと喰って帰らないとチビたちと戦えないだろが…それでなくても痩せちまって、ゆっくり喰える今日ぐらいしっかり取り返せよ」

それじゃ、と合図した賀門が手際よく料理とビール、そして迅人のために初めての赤ワインを注文した。

「疲れてるなんてことないよ、この一年、士朗の協力があったからこそこうして無事に元気でいられたんだ!僕もチビ達も…ホントだよ」と、膨れた頬で迅人が抗議する。

「御礼を言うのはコッチの方だ、天涯孤独、独りぼっちの人生だとばかり思っていた俺に、こんな賑やかな毎日がやって来るなんて思ってもみなかったが…人生はわからねぇもんだな!ありがとう迅人」


見つめて合わせたグラスからカチリ、と小さな音がする。


「二十歳の誕生日だ、おめでとう」


大人への門出には、若く爽やかなカリフォルニアワインが似合う。

緊張しつつ、怖々グラスに口を付ける迅人の様子を見て、賀門は満足そうに微笑んだ。


「実際のスカイツリーに登るのはチビ達がもう少し大きくなってから、ってことにして、その前に遠くからせいぜい楽しんでおこうと思ってな、いろいろ店を探した中に、岩切さんが仕事上の知り合いっていうココが上がって、会員の件もすぐにクリアしてくれたよ」

「岩切の叔父さんが…そうなんだ…先生は真っ先にチビ達を預かるって言ってくれたし、峻王も格好つけてても希月に抱きつかれるとデレデレで見てられないくらいだし、この一年、知らず知らずみんなに助けられて来たんだ、オレ」

「オレじゃねぇ、俺達が、だ」

「うん…」

そんな賀門だから好きになったんだと、今なら解る。
初めは訳の分からなかった身体の反応だって、ちゃんと理由があったんだ。

それは今、現在でもリアルに感じてること。

番の相手だけに感じる嗅覚と触感、子孫を残す為だけじゃなく、細胞のすべてが敏感になって…


月齢の満ちる夜、今夜のような月なら尚更、血の滴るような肉、最上級の蛋白質を欲した身体がキリキリ疼いて堪らなかった。

そして同時に、目の前で微笑む逞しい身体、大きくて優しい男への甘い気分も揺れ始める。


ちょっと、困っちゃうんだよなぁ。

だって、こんな素敵な高級店でロマンティックな時間を過ごしているのに。

食欲と一緒に、テーブルの下ではエッチな気持ちも盛り上がっちゃってるなんて…

(んなこと恥ずかしくて、死んでも言えないよっ!)


いつの間にか目の前の皿には香ばしいグリル料理が並び、程良くレアに焼き上げられたビーフやオーガニックの野菜が熱々の湯気を立てて運ばれている。


「おぉ、こりゃ旨そうだな!さ、喰え迅人、遠慮すんなよ」


そこからはもう言葉は要らない、とばかりにお互いに、普通のレストランよりも刃が厚い大きなナイフで肉を切っては口にいれる、という単純作業を夢中になって繰り返した。

「ふぅ~~~、もうお腹いっぱい!こんなにしっかりと肉を食べたの久しぶりだよ!」

「屋敷の厨房は広いが、家庭用のグリルじゃ3キロ越えのブロックを焼くのは流石に難しいからな!脂っこくなくて味はしっかりしてんのにジューシーで柔らかい」

「うん、ステーキならよく食べるけど、削いで食べる塊は特別に美味しいよ!今度、峻王にも、組のみんなにもご馳走してあげたいな」

「そうだ、俺達の田舎の家に大きな外かまどを作ろう!肉だけじゃなく、パンも一度に大量に焼けるような、人ひとり入れるくらいの大きさがいい」

その計画を、密かに迅人も楽しみに待っている。

小さな双子を人目を気にせず存分に自然の中で走り回れる環境で育てたい、と、賀門が探してくれた物件は、今はたまに家族で週末にドライブで出掛ける別荘のようになっていて、自然のまま手つかずの庭は、まだまだ危険な箇所も多く、チビ達が走り回るようになるまでにあちこち手を入れなくてはならない。

「庭も、水車小屋の屋根も直すとなると、そろそろ急いだ方がいいかもね」と、迅人は嬉しそうに言葉を続けた。

「あぁ、今の仕事が一段落したら、暑くなる前に本腰入れねぇと…もうタカもキヅも今にも歩き出しそうだし、一歩が出たら赤ん坊は早いって言うからな、ま、何とかなる任せとけ!」

そうだ、イギリスに逃避行していた時に解ったが、見た目と違い、案外器用な賀門は、その気になれば何でも自分で作ってしまう。
彫金の職人の工房へも通って、指輪まで作ってくれたことを思い出し、迅人は今まで忘れていた大事なことを思い付いた。


「パパ、張り切ってるね!張り切りついでにさ、士朗の工房も作ったらどうかなぁ」

子供達に邪魔されないで、火や鉄を扱うにははやり、部屋の一つをちゃんと工房に作り替える必要がある。

それぞれの夢、やりたいことを助け合うのもお互いの大事な役目だと、賀門と出会ってから特に、そう思うようになった。

「あぁ、俺もそれは考えていたよ…あっちに移って落ち着いたら、ボチボチ自分で好きなモン作ってみたいと思ってる」

「じゃまた指輪を作ってよ!毎年どんどん増えるの、楽しみ!」

「ま、残念ながら指は10本までしかねぇけどな」


フフ、アハハ…

デザートのベリーと山羊のチーズパイが運ばれ、夢のようなひとときもそろそろ終わりか、と思われた時。

初めに挨拶をした支配人が、両手一杯の花束を抱えて、こちらへと近づいてくるのが見えた。


「迅人様、本日はお誕生日、誠におめでとうございます。こちらのお花とメッセージ、それから下のお部屋のキーを神宮寺月也様よりお預かりしておりますのでどうぞ」

「これ…まさか、父さんから…」

「そうみたいだな、カードになんて書いてある?」

花束を見ると、真っ赤な薔薇の花びらに埋まるようにして、小さな白いレースの飾りのついたカードが上品に差し込まれている。



迅人、二十歳の誕生日おめでとう
神宮寺の長男として、それから一族の大事な跡取りとなる二人の子の親として
これ以上ない働きをしてくれているお前に心から感謝している。

あの泣き虫だったお前も今日からは立派な一人の大人だ。

賀門君を始め、家の、組の皆の働きのお陰であることを忘れず

感謝の心を持って生きなさい。

私はそんなお前の親であることを、いつも誇りに思っている。


父より




「あの、父さんが…オレに感謝だなんて…信じられな…ううっ」

「いつもは組の頭としての立場上、父親らしい態度や言葉を出すことは出来ないが、ちゃんと思ってくれている」

「母さんが亡くなってからずっと…いつも泣いてばかりだったし、オレ、全然父さんの期待通りの息子じゃなかったのに…」

「んなことたねぇよ、どんな子も無条件で可愛いもんだって、俺達も子を持った今なら解る、ありがたいもんだな、親ってのは…ありがとう迅人、お前は俺に子供だけじゃなくて、親ってもんまでくれたんだよ」

「士朗…」



その時、狙い澄ましたように、迅人のスマホがジャケットの胸ポケットで大きく震えた。



慌てて開いて見ると、そこには額を付け合ってスヤスヤと眠る峻仁と希月。
二人、と言うより二匹と言った方がしっくり来る、愛らしい寝顔のアップが画面一杯に映っていた。

添付されたメールの文字は峻王らしい、偉そうな口調そのままに、こう書いてあった。


「迅人、いや兄貴っ、誕生日おめでとう!子供達はこんな具合にイイコで寝たし、明日まで帰って来なくていいよ!部屋代も親爺からしっかり出させてもうチェックインも済ませてあっから、安心して賀門さんと朝まで盛り上がって…って、クソっ、こっちも負けてねぇからな!じゃ…」

慣れているとは言え、双子を一度に世話するのはさぞかし大変だったに違いないのに、こんな事まで手配してくれるなんて。

「ヤラレタなぁ迅人、アイツ、もしかして俺よりずっと器がデカイ、さすがは未来の組長だ」

「しかも、ちゃっかり父さんから高いホテル代までせしめてるなんて、呆れる…」

と、笑いながらスマホを賀門に差し出すと、おや?と言うように、身体を揺らして賀門が画面を覗き込む。

「何なに?子供達がどうかした?」と、慌てて奪い返そうとしても、大きな手に阻まれた。

「もうひとつ、弟に先を越されてることがある、フフ、刺激が強いから見ねぇほうがいいぞ」

「え?枕元に黄色いアヒルのおもちゃがあった他に、何があった?」

「何がって、もう、コレは絶対に狙ってやったアイツの俺への挑戦状だ!」

ちらり、と賀門がこちらに向けたその画面に目を凝らすと、さっきは気が付かなかったが、可愛い子供達の寝顔の先、暗がりの中に何か白っぽいものが光を纏って浮かび上がっているような…


「つか、こ、これってば人間の肌…たぶん、って言うかどう考えても侑希先生のハ、ハダカじゃないかっ?!」


顔はさすがに写っておらず、確かなことはわからないけれど。

子供達の寝ているすぐ後ろに。

ぐったり俯せになった誰かの綺麗な背中が、そしてその先に緩やかにカーブを描いたヒップの丸みまでもがしっかり映り込んでいる。

「クソっ随分余裕があるじゃねぇか、峻王のヤツ、こっちはこっちでお楽しみだって言いたいんだろう、遠慮はいらないみたいだから、せいぜい俺達も楽しませて貰おうぜ」

「え?」

「フフ、肉喰ってる最中からもう可愛い嫁さんが大事なトコをこんなにしてるんだ、俺もどうしたもんかと思って、実はずっと思案してた」

大きなテーブルの下。

いきなり賀門が、少し膨らみかけている迅人の密かな部分をギュ、と握ってくる。

迅人は真っ赤に顔を火照らせ、その手を跳ね除けようと必死になって身を捩った。

「や、やめ…どして知って…違っ、そうじゃなくて、これは…満月で身体が勝手に…」


甘やかな指と指での攻防を楽しみつつ、賀門が最後には迅人の手のひらごと優しく包んで囁いて来る。

「敏感なのは知ってる、隠さなくていい…そこがたまんねぇんだからな、ただコレが先生の裸を見たから、って言うんなら許しちゃ置けねぇが」

「な、何言ってるんだよっ!そんなこと、有るわけ無いし!いっつもワザとからかって、何が面白いのっ」


そう言って俯いた迅人の顎先に、太い賀門の人差し指が触れて差し込まれて小さく擽った。


「さ、そろそろ行こうぜ…これ以上可愛い事言われたら、このままここでヤっちまいそうだ」


その後に続く囁きは、直接、耳殻に吹き込まれ、熱くて上手く聞き取れなかった。



「迅人、今夜はすべてを忘れろ…そして、初めて逢った俺に、抱かれてくれ」




続く
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by apacheoffice | 2012-08-03 16:58 | Blue Moon Ballade

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