KCx ITANコミック「昭和元禄 落語心中(1)」読みました

こちらはボーイズラブ関連のお話を含む超個人的長文雑談となります。
一般書の内容レビューとは異なりますのでくれぐれもご注意ください。

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【あらすじ】満期で出所の模範囚。だれが呼んだか名は与太郎。 娑婆に放たれ向かった先は、人生うずまく町の寄席。 昭和最後の大名人・八雲がムショで演った「死神」が忘れられず、生きる道は噺家と心に決めておりました。 弟子など取らぬ八雲師匠。惚れて泣きつく与太郎やいかに……!?昭和元禄落語心中・与太郎放浪篇、いざ幕開け


話題沸騰、落語の世界を描いた一般向けコミックスですけど、(こんなBLブログで語っていいのか疑問ですけど)昭和元禄に子供だった私達には堪らないので我慢できずに書いちゃう。

こっちの世界では有名な同じく落語の世界を画いた剛しいら先生の名作小説&CD「座布団」がありますが。

こちらは、言えば恋愛要素を抜いてなお、これだけ色っぽい「人の情」を描いてあるのが凄いわマジ。

まさにハードカバーの分厚い小説の上下巻の上。
<を読んだ感じの満足感

頼むからゆっくり進んでずっと書いてて。<爆

と久々に思ったんで、こちらから
昔話始めたら全部言わなきゃ気が済まないイタ記事要注意!
   ↓







落語にあって、漫才にないもの。

それは「艶」ですよ!

だから漫才、いやMANZAIやコントじゃ「芸と心中」なんてできっこない。

どんな落語家にも必ずちゃんとある「色気」が雲田先生の絵でこれから先もずっと堪能できると思っただけで涎が出ちゃうよ!

これ舞台は昭和…たぶん40~50年代って頃かな?
ヤクザの世界から足を洗った与太郎が、慰問で偶然聞いた師匠の「死神」に惚れて無理矢理弟子に…と、物語りはまだまだ(前座になるまでの)ほんの「まくら」まで、でございますね。

登場人物のすべてに、どうにもならない「情」があって、どんどん引き込まれて惚れさせられちゃう。
台詞の隅々にまで溢れる正確な江戸言葉、東京訛りも堪らない。

「し」と「ひ」が入れ替わっちゃうんだよね。
「今日は○○をした日」が「今日は○○ひたし」になる。
アンタにお前さん、するってーと何かい、野暮は言いっこ無しだよっ。

雲田先生、私、先生の「野ばら」が大好きなんですけど。
しかもまだお若い漫画家さんだと思うんですけど。


ど肝抜かれました。

読者の中にいろんな思いを蘇らせるから、私の感想が余談オンパレードになっちゃうのもシカタナイな!うん。←びっくり正当化

まずは師匠と弟子。
落語の世界じゃ惚れて入門するんだから、まさしくこれは「恋愛感情」と同じ愛憎の世界。
この前、亡くなった談○と師匠の小○んの関係もそうだし、師匠に惚れて惚れて、惚れた弱みで最後にはどうにも身動きが出来なくなるんだよね。
(破門されてもまだ惚れてるってんだから、弟子ってーのはこの世で一番可愛い生きモンだよ!)

そんな可愛い「弟子」(破天荒でも談○よりはヒネてない)与太郎が大型犬のように無邪気に頑なな師匠の懐に飛び込んで来るってところでまずはグッとくる。

そして飛び込まれた方は観念する。

実際、落語家さんが弟子のことを語る時の顔って、本当に深くて優しくてイイモンだよね。
その視線の凄さが「八雲」の表情にもしっかり溢れてて泣けた!

そして、伝説の名人助六の忘れ形見として八雲師匠に引き取られるお嬢、小夏の存在。
この娘が絡んで、憧れと思慕、悔しさ憎しみと渦巻く「情」の世界へと導かれる…

ワケありまくり気?(ここはコッチ的にも美味し過ぎる)死してなお八雲をある意味支配する助六の芸の大きさ、揺るぎない男気。

太陽のような与太郎の明るさの奥に、実は二人(八雲と小夏)が見ているものは…てなイイトコとこで。
<まずは一巻、お後がよろしいようでになっちゃう!笑

心の中と現実との対比が鮮やかで、脇役も曲者揃い王道青春ものでもあり。
<あ、松田さんは笹野さんで是非、ヤクザの兄貴なんて色っぽくて妄想させ過ぎ。

豪華キャストで映画で見たらさぞかしいいだろなぁと思うけれど、ジャニとかでやれちゃうと嫌だからいいや!
<与太郎はもっと器の大きな大型新人のデビューでお願いします爆


で何より私が一番、感情移入して楽しみにしているのは小夏。
これから自分の芸を、そして恋を、どんな形で成就してゆくのか、「芸の家」に生まれた女性の生き方をどう描くのか本当に楽しみです。

とここで最後にして最長の余談。<キタなっ

私が実際今この世で、羨ましいと思う人は数少ないんですが…
女優でエッセイストの池波志乃さんだけは本当に羨ましい。

だって、父親は10代目金原亭馬生、祖父はそれこそ伝説の5代目古今亭志ん生、叔父は3代目古今亭志ん朝なんですよ!

彼女が昔インタビューで志ん生師匠が晩年、寝たきりになった時、「お祖父ちゃんお稽古に行ってきます」と挨拶すると、師匠が枕元で手を引いて「どこにも行くこたぁねぇよ、お前は俺の側にいりゃぁいい」と、惚けたのかふざけたのか、若い芸子を囲ってる気になっていたらしいと話していたのが、猛烈に羨ましくて歯軋りしたのを覚えてる。
とらやの羊羹を「向こうが透けて見える程」薄く切って志ん生師匠が日本酒のアテにしていたから、子供の頃からそういうものだと思っていて、女優修業中、先輩のお宅で薄く切って出したら怒られた、とか。<どんな師匠の芸談より面白いよ

芸道に全てを捧げ切る遺伝子。
彼女が女優という職業にのめり込みすぎて、体調を崩し今は休業し別の事業をされているというのもなんとなく頷ける。

小夏の芸への執着を見ていて、なんとなく彼女を思い出しました。<無茶ブリだがホントだよ

あ、最近は、テレビでお馴染み、ねじねじマフラーの旦那様、中尾彬氏と旅番組ぐらいでしかお目に掛かれないのが寂しいけど、お元気そうで何より。←ファンか!

出会い馴れ初め?湯島の喫茶店で「朝、二日酔いの寝ぼけた姿で店に飛び込んで来た」だけで当時ギラギラモテモテだった年上の人気俳優(ねじねじマフラー)を一発で堕としたってのも凄いし。
子○外○娠で手術された時も芸能ニュースのカメラに向かって中尾氏が「全部、俺がヤったことですから…(悪いのは自分)」と妻を庇ってサラリと言ってのけたのが非常にカッコ良かったぞっ。

昭和の男、いいじゃないか。←ねじねじのファンでもあるのか!

思えば昔と違って、テレビじゃ寄席中継は(毒気なしの笑点以外は)ないし、落語そのものに若い人が触れるチャンスが今はほとんど無いんだね。

父親の手を握って寄席に行った、なんて思い出があるのは幸せなこと。
(帰りにデパートで買ってもらうおもちゃとお子様ライスが目当てでも)

もちろん当時はワケ解らずに聴いてたけれど、記憶の中では(子供だから創作落語が解りやすかったってのもあるけど)春風亭柳昇師匠が最高にスキだった!
<あの世から呼び戻せるなら呼んで聴きたい

なんとも、あのすっトボケたオヤジが、話し出すととてつもなく可笑しく色っぽく。

しかも後に自身の著書「与太郎戦記」で、軍隊時代、上官にご指名され(紅顔の美少年だったため)○かれた体験なんかをあっさり語ってたりして驚いちゃう!<芸人なんでも芸の肥やし
(ご本人はとっても愛妻家で有名だった)

今の昇太も志の輔と二人で爆笑ゲ○疑惑な旅なんかしてる場合じゃない!志の輔もためしてガッ○ンしてる場合じゃない!
<二人とも早く師匠に近づいて!

以上、BLブログ史上歴史に残る大脱線。まったく作品語ってない。

ってことで、芸能ニュースから子供時代まで思い出して語る嵌めになる「落語心中」(無理矢理ハナシ戻す気か私)
最後には寄席のススメ、案内までがちゃんと書いてあって、落語初心者に優しい一巻です。←キリがないんで纏めに入ったらしい

あー春になったら楽しく、デパ地下で高級料亭の高いお弁当買って。
花見かたがた新宿・上野の定席へ皆で出掛けましょう。


で、今夜は2巻を読むぞ!
(2巻からは真面目に作品語るぞ)

※芸能関連の記述は単なる思い出。子供の頃テレビで見た朧気な記憶ですので、失礼がありましたら削除いたします。
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by apacheoffice | 2012-02-03 15:04 | ちょっとおしゃべり | Comments(2)
Commented by まるまる at 2012-02-05 10:22 x
私も買っちゃいました(;´∀`)テヘ
2巻は今日買ってきます♪
落語は面白い!大好きです。
最近の漫才は漫才というよりコントっぽいか、1発ネタかみたいな感じ
何十回何百回何千回やっても面白い、同じ話でもやる人が違うだけで
また面白いって凄いことだと思います。
表情や仕草も相まって面白いんだけど、
音だけ聞いても面白いってやっぱり凄い。
柳家喬太郎師匠が好きです。
あ、漫画の話してないw

弟子なんか取ったこと無いからどうすりゃいいのよ?って
たまーに戸惑う八雲師匠にニヤニヤしてますww

Commented by apacheoffice at 2012-02-06 18:31
まるまるさん
こんなレビュでもなんでもないものにコメント下さってありがとうございます~。<(_ _)>
そして、弟子を取ったことのない大御所って設定。これも凄かったですね。<そこらあたりはフィクションだなぁとも…笑

一番弟子、っていうのはファンクラブ会員№1ってこと以上に(笑)それ以降の芸人人生においても、凄い意味が出てくるみたいですね。

昔、こん平師匠が先代三平師匠のトコロに(戦後の食糧難の中)米俵担いで弟子入りして米のお陰で一番弟子にしてもらったことを延々と自慢していたのを思い出します。

何が何でも無理矢理にでもなりたいのが一番弟子なのかも。

八雲師匠が万札出して「アレになんか喰わせてやってくれ」と言う所が特に可愛かったですねぇ。
世間知らずというか、芸道一筋の人間ってやっぱり浮世離れしてる。

先代の勘三郎が大人になった長女の波野久里子さんにいつまでも500円をお小遣いと言って偉そうに渡していたのと同じ感じだな~!(財布を持たない人生、つまりまったく世の中の貨幣価値が解ってなかった!)
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