In other words
こちらはボーイズラブ小説の二次創作となります。
関心ない方、お子様は閲覧なさらぬようお願い申し上げます。

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密かに年明けから続けている、去年の検索ワードランキング(ここにいらしたお客様のってことですよ)にお応えするシリーズ!

その栄えある第四位は…duruduruduru

「DEAD LOCK ディック×ユウト」

これも相当人気作品なんですね~。きっとCD関連からいらっしゃる方が多いのでしょうけど、二次創作とかssなどを付けて検索してお越しの方も多い。
って、ことで勝手にお応え、バレンタインの小さなお話を置いてみました。

や、そんな偉そうにバレンタイン言えるようなもんじゃないんですが、ほんの一瞬のワンショットドラマ?ってことで。

「In other words」DEAD LOCK ディック×ユウト Hなし一話完結。

アメリカ、西海岸の空気を醸し出すために、私の好きな曲も貼り付けちゃう。(出た、ポエムに乗っかれぇ)
や、断じてコレあのエ○ン何とかの○波○イなどの曲ではありません!

JAZZの美しい歌姫、Julie LondonのVer.で「Fly me to the moon」
(携帯からは聞こえなくてスミマセン)



聴きながら丁度読み終わるくらいに書いたつもりなんですが…


※追記:このお話の続き、翌朝のお話も書きました。コチラです。


では、よろしかったらこちらから
     ↓






 

◇ ◆ ◇



「ハハッ見ろよ!あの行列…間抜けなツラした野郎どもが、イイ子で並んでいやがるぜ!」


捜査で一日中駆けずり回ったにも関わらず、何一つ情報を得られなかったことへの腹いせもあるのだろうか。

寒空の下、路上のフローリストのワゴンへと並ぶ男達の列を見て、ロス市警麻薬捜査課の同僚、相棒のデニーが運転席でヒュッ、と冷やかすような口笛を吹いた。

二月も半ば、最近の異常気象の影響でロスにしては珍しく小雪が舞うほどに街は冷え込んでいる。

赤信号で止まった先の通りの向こう側、男が指を差した方へ俺はぼんやりと視線を向けた。

言われてみればどことなく街を行き交う人々は華やいでいて、妻や恋人への花束を求め長い列に並ぶ男達の顔は(それぞれに携帯や雑誌、新聞などを覗き込んではいるが)皆とても穏やかだった。


「そうか、今日はSt. Valentine's Day…」

「ああユウト、お前、確か日本人の血が混ざっているんだろう?そっちの国じゃ、どうやら女性から男性へ告白する日ってことになってるらしいぜ!なんてパラダイスなんだ、今すぐ移住したいよ」

「ん~そんな話を前に聞いたことはあるが、実は日本には子供の頃一年ほど居ただけだから正直わからないんだ…でも、どっちにしても花屋は儲かる」

「そりゃそうだ!ハハッ、さぁ、とっとと捜査報告書いて今日は早く上がろうぜ!で、俺たちもあの行列に並びにいくってのはどうだ?」

「ああ、異論無しだ、俺だってたまには人間らしい時間に帰りたいよ」

シグナルが青に変わる。

途端に多種多様な車が競い合うように、リズムに乗って一斉に道路へと流れ出した。

日系アメリカ人である俺は、チカーノの育ての母、義理の兄弟の影響もあり、どちらかというとラテンアメリカのリズムが性に合っているように思う。

今だって心に浮かぶのはラテン・ボッサの軽快なソレで…

カーラジオから流れ出すメロディーとオーバーラップして、週末の宵の浮かれ気分が一気に心に溢れて来る。


「あ…あれは…まさか?!」

「ん?どうした?間抜けな行列に誰かいたか?」


間違いない。

車が通り過ぎる、ほんの数秒でもハッキリと分かる。
長い行列の先頭に頭一つ抜き出た、いや映画のスクリーンから抜け出て来たかような、周囲の目を引く美しい男。

ダークなスーツを見事な肩幅で悠長に着こなし、客先へ向かう時だけ掛ける伊達眼鏡のフレームを、ツイと中指で押し上げる仕草までもが憎たらしいほどに決まっている。


ディック・バーンフォード。


何で…お前がこんなところに…


まるで5歳児のように窓ガラスに手を突いて、俺は何とか男の姿を目で追った。


すると突然、鮮やかな赤が視界に飛び込んで来て…

深紅のスカーレット、真っ赤な薔薇の巨大な花束が、男の手で右肩に優雅に担がれているのが見えた。


ディックの奴、まさかあんな恥ずかしいモンを、あのまま家まで担いで帰るつもりか?!

いつの間にか俺の頬は、薔薇の花より赤く上気している。

携帯を取り出し通話ボタンを押しかけた俺は、次の瞬間、今更どうすることも出来ないと気づき、諦めてドサリ、とシートに背を沈めた。


悠々と通りを歩く男の姿が、バックミラーの中でどんどん小さくなる。


あの噎せ返るような香りの花びらをベッドに敷き詰めて。
今夜きっと自分は、激しくディックに愛されるのだろう。


キスをして、急いた手付きでお互いの服を脱がし合い。
触れてないところは無いくらい肌の全てを味わって、何度も果てて朝が来るまで…



「クソッ、ド派手な薔薇の花だな、しかもソレが悔しいぐらいに似合ってやがる!そんなモン買わなくても女が寄って来るに違いないクールなハンサムガイが何でだよ?で、何でアイツは俺じゃねぇんだ、ジーザス!」

俺の甘ったるい妄想は、毒舌デニーのやっかみとも羨望ともつかない叫びで遮られた。


流れる曲は掠れた女声ヴォーカル。
私を月まで連れてって、そして鳴かせてと愛する人に囁き掛けている。


この想いを真実にして、そうよ…愛してるの…


「で、あの色男はお前の…知り合い?友人か?」


ああ、彼はディック、友人だと答えてから、俺はまるで夢でも見ているように言葉を続けた。




いや、つまり…


つまり、彼は。


言い換えれば、その…




俺のモノなんだ。




そう心の中で言い切ってから、俺は遠ざかる小さな影にそっと祈りを捧げた。




ディック、この想いを「真実」にしてくれ…愛してる。






Fin.
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by apacheoffice | 2011-02-05 03:23 | 他作家様作品での創作
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